『狂気』という名の誠実について

『狂気』という名の誠実について
―― 6年間の秘史と、100年の誓い。

これまで、あまり語ってこなかったことがあります。

オンライン勉強会コミュニティ「ClubQ」が産声を上げてから、
今日までの6年間。

運営にかかる経費、そして場を維持するための膨大な時間……
そのすべてを、運営事務局である私は、自らの持ち出しで賄ってきました。

同時に、加藤和哉先生とペトロスキートミオ先生は、
この場の理念に深く共鳴し、無償で講師を引き受け続けてくださいました。

驚かれるかもしれませんが、加藤先生と私は、自らが主宰・登壇する会においても、
一参加者として参加費を払い、共に場を支え続けてきたのです。
数字だけを見れば、それは経営とは呼べない「6年間の赤字」です。

「経営としては、0点。覚悟としては、100点。」

効率や利益を至上命題とする現代において、
私たちのこの選択は、ある種の「狂気」に映ったかもしれません。

なぜ、講師や私はそこまでして、この場を「無償の献身」で守り続けたのか。
それは、学問という名の「火」を、この社会から絶やしたくなかったからです。

「なぜ私たちは、6年間も『無償の献身』という名の狂気に身を投じたのか。」

その答えは、至ってシンプルです。
私たち自身が、専門知に触れることで人生の視界が開ける瞬間の、
あの震えるような感動に救われてきたからです。

振り返れば、

「損得勘定を、学問の入り口に置き忘れて6年が経ちました。」

この歳月で費やしたものは、私たちにとっては単なるコストではありません。

「知への信頼」を築き上げるための、誰にも奪えない修行期間(インベストメント)でした。
時には世俗の欲が入り混じるような苦い経験もありましたが、
それらすべてが「知的な連帯」とは何かを問うための尊い素材となりました。

人生に起きるすべては、学問へとつながっているのです。

しかし、個々人の自己犠牲に依拠する運営は、あまりに脆いものです。

私たちが倒れれば、この場もまた、音もなく消えてしまう。
それは、私たちが共に愛してきた「知の未来」を、
あまりに不確かな運任せにすることに他なりません。

だからこそ、今。

この情熱を、
「持続可能な公共の財産」へとアップデートすることを決意しました。

2026年5月より、ClubQは「適正化」という新しい扉を開きます。

それは、これまで限られた数名が背負ってきた重荷を、
皆様と共に「知を支える誇り」として分かち合うための儀式です。
「安さ」で選ばれる場ではなく、「価値に共鳴する」方々と共に歩む場へ。

6年間の赤字という「過去」を、100年先へ知を繋ぐ「礎」に変えて。

一人の狂気から、共鳴する皆様との「聖域」へ。

新しく生まれ変わるClubQで、皆様をお待ちしております。

これからも、共に学び、共に慈しみ、共に思索の海を泳ぎ続ける。
私たちの未来を彩るそんな豊かな時間を、
これからもあなたと共に積み重ねていけることを願って。

2026年4月30日 ClubQ 主宰 M

私たちは今、自己犠牲の時代を終え、『知的な気高さを共有する時代』へと移行します。この物語の続きを共に綴ってくださるフェロー(特別研究員)を、心から歓迎いたします。

現在、門戸が開かれている研究室(Lab)

100年先へ、知を受け継ぐ。その一灯を、あなたと共に。